危ない子供たち 〜3匹目〜
 
ドサッ

「いって〜!!!!」

昨日あのまま寝てしまった俺はベットから落ちて目が覚めた。

「・・・あれ?」

いつもならベットから落ちる前に、目覚ましのアラームで目が覚めている。
だがいつもの位置に目覚まし時計はなかった。

(おかしいな・・・・・どこにやったっけ?)

しょうがなく目覚まし時計を探し始めて数十分・・・・
いきなり部屋のドアが勢いよく開いた。

「和乃!!!!」

そこに立っていたのは母だった。

「なんだよ・・・・・うるさいな・・・・」
「あんた・・・今日は月曜日よね?」

この時、母が何故そんなことを聞いてきたのか・・・俺にはまだ分からなかった。

「あぁ・・・なんなんだよいきなりこんな朝早くに」
「朝早く・・・・・和乃・・・今何時?時計よく見てみな」
「・・・その時計を今探してんだよ。時間なんてこっちが聞きたいくらいだよ」

すると母はいきなり隣の自分の寝室から可愛らしい目覚まし時計を持ってきて、俺の前へと思いっきり投げつけた。


「自分の目で確かめてみなさい!!!!」







          時計が示す時間は12時20分















「ずいぶん遅かったね〜」
「うるさいな・・・」

あれから急いで朝風呂へと入り飯も食べずに学校へと来た。
もう遅かったし、疲れていて学校なんか来る気にもなれなかったが、
あの男との約束を思い出し、重い体を引きずってきたのだ。

「和乃疲れてる〜?」
「まぁいろいろあってな・・・・」
「ご苦労さん〜」

さっきから俺に話しかけてくるこの男。
名前は芳我尚十(はが なおと)。
こいつは何考えてんだがよく分からない奴だが、たぶん友達の中では1番仲がいいだろう・・・

「あれ?今日はめずらしく授業受けるんだ?」

机の上に教科書をばらまいていた俺を見て、尚十は話しを続けた。

「まあな」
「そうだよね〜この前、職員室に呼ばれて説教されてたみたいだしな〜」
「・・・・」


(こいつ・・・なんでそんなことまで知ってんだよ)


たしかに俺は眠くなると空き教室へと行き居眠りを楽しんでいた。
だが、最近は特に英語の授業へと出ていないせいか、職員室へと呼ばれ説教させてしまったのだ。

「そういえば和乃〜たしか今日はおまえがあてられる番だった気が・・・・
予習やってきたか〜?」
「・・・やってきてるわけねぇだろ〜・・・」

授業もでていなく、今やっている内容でさえ分からない俺が予習なんかやっているわけがない!

「しょうがないな〜・・・今日は特別僕のノートを見せてあげるよ〜」
「サンキュー!」

はい、と渡されたノートを受け取ろうとした瞬間だった。

「!?」

ツンッと鼻を刺すような匂いがした。





「尚十・・・・お前また香水つけてるだろ?」
「う〜ん・・・そんなにキツイ匂いかな?ほんの少ししかつけてないんだよ〜」
「いや・・・別に・・・そんなんでも・・・」

口ではそう言ったものの・・・父までとは言わないが、他の人間と比べれば鼻がいい俺は少しの香水の匂いでもかなりつらかった。

尚十のつけている香水は俺にはキツイが、他の女子なんかには、
『優しい顔だちに綺麗な黒髪!そしてかすかに香るバラの香水!!!私のクラスのNO,1!』
とクラス新聞にのるほど好評だった。

「起立!」
「あっ!じゃあ後はがんばれよ〜」

授業が始まり、尚十はバラの香りをのこして自分の席へと帰っていった。


鈴奈
2003年04月08日(火) 21時02分07秒 公開
■この作品の著作権は鈴奈さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんばんわ!お久しぶりです。
今回は新しいキャラを出してみようかと・・・・しかも後から結構出す予定です。
母親・・・・ホントはかなり穏やかな性格にしようかと思ったのですが、なんだか暴走してしまいました(汗
あの男(?)は次回こそだそうかと思っております。(長い
前回レスしていただいたユタマチサマ、水火さま。
本当にありがとうございました!!!!

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