空に夢描く人は少なくないだろう
このお話の主人公もそんな夢を描く、ちょっと変わった少年


















「・・・・たっっっっ・・・・け・・・・」


少年は青空の下に倒れるように寝そべった
陽気に鼻歌を唄いながら無限に広がる空を眺めている




少年の名は『青楚良 鍔茶』
中三で空が大好きな、ちょっと某サッカー漫画の主人公と名前がかぶっている少年だ(笑
性格は・・・よく言うならマイペース。悪く言えばただの阿呆

彼は今、学校の屋上で空を眺めていた
始業のチャイムが鳴っているにもかかわらず・・・



「まーーたここだぁ〜!」

屋上の入り口から聞き慣れた少女の声が聞こえてくる

「よっ、みーさきちゃんっ♪」

鍔茶はドアの方に首を傾けながら、阿呆のように語りかける

「なにが「よっ♪」よ・・・もぅ授業始まってるのよ?」

少女は『授業が始まっている』と言う割には、しっかりとドアを閉めている

 「そいつぁてぇーへんだぁ〜」

・・・どーでもいいようにニャハッ!と言い放つ阿呆・・・鍔茶少年
ところで、少女の紹介を忘れていた

少女の名は『雛田 未早紀』
鍔茶と同じく中三で幼馴染み、こちらも某サッカー漫画の主人公とのコンビの奴やちょっと黒いFWの奴との合体名ではない(笑
性格は基本的にキッチリとしている・・・が鍔茶の影響か、どこか自分勝手なところが目立ってきている
それに、鍔茶に対してほのかな恋ごk(作者になにかが起こったため終了



・・・と、とりあえず続きを・・・



 「・・・まぁ別に学活なんてどーでもいいけどさぁ・・・」
そうぼやきながら寝ころんだ鍔茶の横に腰を下ろす





 「・・・なぁ未早紀?」

二、三分お互いに空を眺めていたが、鍔茶が静寂を破った

 「・・・なに?」
未早紀は少し鬱陶しそうに鍔茶に顔を向ける
言い忘れたが、彼女も鍔茶ほどではないが空が好きなのだ

 「オレってさ・・・空、飛べると思う?」
 「はぁ?」

いきなり突拍子もない質問をされて、思わず声が大きくなる

 「・・・その『とべる』って、『跳べる』・・・だよね?」

・・・て、あんたそれは読者にしか違いがわからn(終了

 「いや、『飛ぶ』の方」

て、わかるのかよ!!!!!!(汗

 「・・・・・」
 「おわっ!なにすんだよ、いきなり!!!」
 「や、熱でもあるのかな?と思って・・・」

察しの良い読者様なら未早紀さんがなにをしたかはおわかりでしょう
そう、ラブコメの王道とも言える『額と額をピタッ』ですよ!(作者興奮


どこはかとなく頬に赤みがでている鍔茶は立ち上がると、フェンスの方へと歩を進める

 「・・・このおっっきな空に、オレは飛ぶことが出来るかな?ってネ♪」

極上の笑顔で言い放つと、鍔茶はフェンスをよじ登り反対側に降りる

 「あ、あぶなっ・・・」

未早紀が鍔茶をつかもうと駆け出す

 「この、青くて綺麗な空は・・・いつかオレが飛び立つことを願ってる・・・」

鍔茶が一呼吸つき、躊躇いもなく一歩を踏み出す









彼の足は地へと降り立つことはなかった
なぜなら・・・

 「・・・・っつ・・・ぅぅ〜・・・」

未早紀が鍔茶の腕をギリギリのところで掴んだからだ

 「・・・未・・・早紀・・・?」

鍔茶はきょとんとした表情で未早紀を見つめる
当の本人は腕を擦った痛みと自分より多少重い人物を片手で支えている痛みで顔を歪めている
彼女の腕から血が垂れ、鍔茶に落ちる

 「未早紀!血が出てるじゃないか!!!」
 「そ、そりぁ・・・アンタみたいなのを片手で支えれば・・・ね・・・・」

鍔茶は未早紀の言葉も聞かずに、すぐさま壁をよじ登りフェンスを飛び越えると、未早紀を抱き上げた

 「ちょ、ちょっ・・・」
 「保健室!!!」

それだけ言うと、未早紀を抱きかかえた鍔茶は一気に階段を駆け下りていった












 「・・・大丈夫?」

ここは学校の保健室
どうやら担当医がいないらしく、適当に消毒し包帯を巻いた未早紀はベッドに寝ていた

 「・・・まったく、なんであんなことしたの?」

少し怒声のこもった声で、未早紀は問うた

 「・・・ゴメン」

鍔茶は本当に申し訳なかった、という感じにしょぼくれている
少し可哀想に思った未早紀は鍔茶の頭の上に手を置く

 「もう二度とあんなことしない・・・わかった?」

さっきまでの怒りのこもった声とは違い、少し優しげに・・・まるで姉のように語りかける

 「・・・わかった」

鍔茶も鍔茶で、イタズラがバレて、姉に叱られているような弟のように小さく、行儀良く座っている







あれから何分たったのだろう・・・
終業のチャイムが鳴り、担当医が戻ってきた
担当医の先生は、「んー、こんぐらい大丈夫でしょ!」と軽く言い放って二人を追い出した
その発言に鍔茶はムッとしたが、未早紀に「誰の所為?」とたしなめられてしまった

仕方なく二人は屋上に戻っていった

さっきまでと同じように、大きく青い空がそこにあった
ただ、さきほどまで雲一つなかった空の彼方に小さいが黒い雨雲がでてきている

 「あっ・・・雨、降るかも・・・」

保健室では落ち込んでいた鍔茶だが、今はいつも通りの鍔茶に戻っている・・・当然未早紀も

 「みたいだね・・・」

まだ腕が痛むのか、未早紀はいつも通りではないようだ
それを知ってか知らずか、鍔茶は未早紀に尋ねる

 「まだ・・・痛むの?」

すると、ソッと添えるように包帯の部分・・・つまり自分の愚行によって傷ついてしまったところに触れる
ピクッと未早紀の体が反応する
やはり痛むのだろう、顔は正直だ
鍔茶は申し訳なさそうに未早紀の包帯部分をさする

 「・・・・もぅ!」

未早紀は今まで自分の腕をさすっていた鍔茶の手を取ると、鍔茶の手を握りながら呟いた

 「もぅ・・・大丈夫だって」

青空に消え入りそうな小さな声
それでも鍔茶の耳に入り込んでくるのは、空から舞い降りた静寂のせいだろうか?




空が二人を包んで、二人の影は一つになる
二人の恋は、高く青く優しくそびえる青空に花開いただろう、か・・・

































命@ミコト
2003年06月20日(金) 15時20分02秒 公開
■この作品の著作権は命@ミコトさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はぃ統一SS投稿っ!
計都とのLvの差を嫌々ながら感じてしまうワッ!(笑
まぁ詳しいことはわからないけど、意味不明部分が多いというのだけはわかるな・・・(汗


じゃ、次回のSSテーマは簡単なのがいいな・・・と思いながら猿、もとい去る。

この作品の感想をお寄せください。
拝見しました♪感想いらないっていってたけど、一言だけ…。面白かった♪てか、笑えて、こんな話もいいな〜って思いました(^^)ではでは、これからも頑張って! 5 桃助 ■2003-06-22 21:48:48 k111120.ppp.dion.ne.jp
…美早紀さんの苗字が結局読めないままだった(爆)阿呆です(泣)。所々の作者ツッコミに笑いました。つか、主人公…ドリーマーもとい、「阿呆」ですか…(汗)?と、ともかく、爽やかな青春ですな♪こんな感じの終わり方、いいなと思いつつ。ではでは。次回は…もうちょっと具体的テーマにしよう、ね(^_^;)。 5 じょう ■2003-06-22 18:04:08 o093053.ap.plala.or.jp
点数入れ忘れた; 5 本条飛鳥 ■2003-06-22 03:25:52 dhcp065-024-067-101.columbus.rr.com
何言ってるんですかレベル高いよお兄さんw(謎)鍔茶君。名前の通り空を飛べたら面白かったのにねw・・・・冗談す。所々の突っ込み、笑わせていただきましたよ〜。ラストの終わり方も良いし・・・・ね♪じゃあ、小春・・・・間違えた、次回作に期待して! 1 本条飛鳥 ■2003-06-22 03:25:09 dhcp065-024-067-101.columbus.rr.com
作者さんのナレーションと登場人物の名前が面白かったです(^‐^)最後のほうでは二人が良い感じでいいです。さわやかな、でも笑いがあるというのがミソですね。ではでは★ 5 alex ■2003-06-21 00:53:26 r213156.ppp.dion.ne.jp
いや、うまいから命@ミコト、私よりずっと!!私がLvの差を感じたよ。最初の作者のつっこみで笑い、そして主人公の行動に驚き、それを止めたヒロイン…もとい未早紀の力持ちに驚き(違)でも最後の終わり方大好き!!私もいつかこんな終わり方をしたいわ♪空は私も難しかったよ…。じゃあ次回のSSテーマの簡単に期待♪(笑) 5 計都 ■2003-06-21 00:12:27 y129009.ppp.dion.ne.jp
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